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サイバーパンクな彫刻に出会った。

サイエンス・フィクションにおける思想やスタイルなどを示す言葉に「サイバーパンク」というものがある。このサイバーパンクが具体的にどういった物を指すかは、下記のようにウィキペディアに記載されている。

典型的なサイバーパンク作品では、人体や意識を機械的ないし生物工学的に拡張し、それらのギミックが普遍化した世界・社会において個人や集団がより大規模な構造(ネットワーク)に接続ないし取り込まれた状況(または取り込まれてゆく過程)などの描写を主題のひとつの軸とした。

出典-ウィキペディア

ほとんどの人は、サイバーパンクなんて言葉を日常生活で使用することはないと思う。もし使ってるとしたら、ちょっと危ない人かもしれない。途端に不安になる。仮に取引先のお客さんが打ち合わせの後に、「この後サイバーパンクな飯でも食いに行きませんか?」なんてことを言ったとしたら、僕は何かしら理由をつけて契約解除を申し出ると思う。お近づきになっちゃいけない人だ。

日常と程遠いところに存在するのがサイバーパンク。僕はずっとそんな風に考えていた。だけど先日、都内某所を歩いていると、思わず「サイバーパンクだ…」と、うっかり独り言を漏らしてしまう光景に出くわしてしまった。

サイバーパンクな彫刻たち

あれこれ語るより、まずは目にしてもらったほうが早いと思う。こちらだ。

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サイバーパンクである。

文京区の某駅から程近いところに位置する、窪町東公園という所らしい。仕事の打ち合わせへ向う途中、何気なく歩いているとコレである。唐突に現れる機械仕掛けのユニコーンに魚にアンモナイト。公園というほのぼのしたイメージから逸脱した世界観。周辺は緑が多くて上品な佇まいの街並みなので、より一層この異質な公園が浮き立つ。パンクだ。

ちなみに、文京区のWebサイトに詳しい情報が掲載されていたので、引用させていただこうかと思う。

文京区とドイツのカイザースラウテルン市の「姉妹都市提携」のシンボルとして、同市の彫刻家ゲルノト・ルンプフ、バルバラ・ルンプフ夫妻の作成した「神話空間への招待」と題する、ヨーロッパの伝説上の動物である一角獣を中心とした彫刻を設置しています。

出典-文京区ホームページ

なるほど、彫刻家ゲルノト・ルンプフ、バルバラ・ルンプフ夫妻の作成した「神話空間への招待」という彫刻らしい。なんだか名前からしてサイバーパンクな響きである。僕は彫刻に詳しくないし、アートに関する的確な審美眼なんて持ち合わせてない。だから作品に対して無作法にあーだこーだ言うのは、アーティストに対して失礼にあたるかと思う。

だけど…だけど…

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これですよ?

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これですよ?

これもうイジるしかないじゃないですか…

ユニコーンと魚に関しては、まだギリギリなんとか受け入れられる。だけど、この魚に関してはもうどう処理して良いか分からない。魚というか人面魚だ。アルカイックスマイルである。さらに人面魚の上に頭がトッピングされてる。突っ込みどころが満載である。一体どうしてこうなった?もう好奇心がビンビン刺激される。詳しい記述はないかと、先のWebサイトを改めて閲覧してみる。

カイザースラウテルン市の紋章にもあり、「幸運のシンボル」とされ、日本人に親しみのある鯉のイメージを重ねています。魚の頭部には「フリードリッヒI世」の頭像が付けられています。

出典-文京区ホームページ

フリードリッヒI世である。笑えてしまう。名前がついてたのかよ。しかもまさかの皇帝ときた。公共機関のサイトに淡々となされる記述が、ますます僕のツボを刺激してくる。

もう一度見てみよう。

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やっぱり面白い。

しかも皇帝は比較的穏やかな表情で座しておられる。我々の感覚であれば、人面魚の上にトッピングされた状況なんて発狂ものである。想像がつかない。さすが皇帝。いや、もしかすると、初めて皇帝が人面魚の上にトッピングされた存在だと知った時、かなりの戸惑ったかもしれない。下の魚とガチンコの大喧嘩もしたかもしれない。それを経てのこの表情だと考えると、なんとも深い味わいを感じるような気もする。真相は分からない。当然である。我々は人面魚の上にトッピングされる事など無いのだから。皇帝の気持ちが分かるとしたら、ど根性ガエルぴょん吉ぐらいなものだろう。

パンクな夫婦

マズイ。アーティストに対して失礼だと思いながらも、随分とイジり倒してしまったような気がする。先述したゲルノト・ルンプフ、バルバラ・ルンプフ夫妻が、この無礼を知ったら激怒するだろうか。いや、僕はそんな事はないような気がしている。あのサイバーパンクな彫刻を作った夫婦である。きっとこんなノリだろう。

バルバラ「あなた、この魚の彫刻もそろそろ完成ね。」

ゲルノト「そうだな、でもなんか足んなくね?これ乗っけとく?」

バルバラ「あなた、それ皇帝www」

ゲルノト「皇帝乗っけるの面白くね?wwwww」

バルバラ「草不可避wwwww」

ゲルノト「うけるwwwww」

公共事業であるにも関わらず、こんな会話がなされていたとしたら、僕はこの彫刻家夫婦はなんて最高なんだろうと思う。パンクな夫婦だ。彫刻界のシド&ナンシーだ。

まとめ

有名な彫刻家の有名な作品だったらどうしよ…
素敵な彫刻です。

以上です。